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週末ひとりけんきゅうしつ

つれづれなるままにひぐらし音楽と社会をながめる人のひとりごと。(もはや週末関係ない)

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My Best Album 30 in 2016、やってみました。

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個人的な今年1年を振り返りつつ、初めて今年は、あくまで主観ですが、年間ベストアルバムの選盤にチャレンジしてみようと思います。 

 

「ベスト決められるほど新譜を聴いてないよ・・・」 と、去年まではやりたくてもなかなかできなかった年間ベストですが、

今年は良い出会いもたくさんあり、自分にとって新しい音楽に触れようという意識を習慣づけることができて、個人ベストを選べる程度には、一応成長しました。。

フィジカルは少なくとも新譜・旧譜含め月2〜3枚程度は買っていたように思いますが(それでも少ない)やはりApple MusicやSpotifyを使いこなせるようになってきたのは大きくて、

その分結果的に洋楽の方をより多く聴くようになったのでした。

 

その中でも、これまで、ブラックミュージックはほとんど通ってこなかった私にすら、今年はその重要性というのは無視できるものではないことが十分伝わってきた年でした。

そういう意味でも個人的には、自然と聴く音楽の幅が広がっていったのがなによりも変化だったなと思います。

と言いつつ、カニエも、チャンス・ザ・ラッパーも…聴いてはいるのですが、、、

いかんせん私がヒップホップの背景について詳しくないので順位をつける上で評価が下せず、個人ベストという意味も強いので、あえて今回は外しました…。。。

 

客観的に選ぶと多くの公のメディアと結局一緒になってしまって面白くないし、個のリアリティがない。

かといって、完全に好みだけで選んでしまって読み手にとって意味をなさないだろうな、という懸念がある。

なので、ちゃんとその間をとったベストにすべく、ざっくりと線引きを設けてみました。

 

自分がしっかりと聴いたお気に入りの作品を前提として、「ジャンルや人種のクロスオーバー」が意識されているもの、または音楽的な挑戦が感じられた作品(前作や過去作に比べた変化も含む)

※例外もあり

 

「こいつは、こういう視点で聴いていた、こんなのが好きな奴なんだな」

というのを、わかっていただけたら最高です。

仮に番号を振っていますが、あまり厳密な順位付けではありません。

客観的な総評をベースに個人的な重要度に傾斜をかけた結果という感じです。

 

 

1.Bon Iver/22, a million

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これまでのソロ作品のフォーキーで壮大な美しさを残しながら、カニエとのコラボレーションなどを経て辿り着いた、デジタルクワイアーや大胆に歪ませた楽器、声のサンプリングふんだんに取り入れた、誰も聴いたこともない音像。彼ーージャスティン・ヴァーノンがそのように今作で表現するカオスと優しさは、まるで混迷を極める世界の中で、その世界と自分との折り合いをつけるかのような試みなのではないだろうか。曲名だけでなく、アートワークやブックレットに施された意味深な数字的な意匠、記号や象徴(アイコン)は、彼がそうやって世界を微分した先に見た真理なのかもしれない。

 

 2.Angel Olsen/My Woman

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シカゴのシンガーソングライター、エンジェル・オルセンの3作目。どうもハマりまくってしまい、今年1番聴いたかもしれません。

各メディアで軒並み高順位をかっさらっている彼女の評価されるところはその大胆なビブラートを生かした豊潤な歌声、というのがまず第一。と、言いつつ曲そのものはスタンダード。けれど、スタンダードポップスといえど、ビーチボーイズのような60年代風からストレートなロックに加え、シンセ中心の幻想的なものまで、今作の楽曲はそのアレンジの多彩さが素晴らしい。そして、一見ごく当たり前のラヴソングに見えて、諦念と哲学的な趣きのある文学的な歌詞がそこに乗っかり、聴く人に愛の形を問いただすのである。『MY WOMAN』はそんな彼女の総合的な力量が結実した充実の作品。

 

3. D.A.N./D.A.N.

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バンドがエレクトロニックミュージックをやろうとすると、まずバンドサウンドありき、その上に電子音を乗せて・・・という順序にどうしてもなりがちなのではないか、と密かに思っているのだが、彼らは全く逆。一度全てをバラバラにしてから組み直すようにして空白の美学を創り上げている(ように思われる)のが、日本のバンドシーンにおいて極めて特異で画期的。というか本当は、バンドという括りに置いておくべきでもない。クラブミュージックとの接点を、「キツさ」を削ぎ落とした、音のレンジの狭いメロウなサウンドにしっかりと引き込んでいく点に彼らの存在の重要性があるのだと思う。

ミニマルでありながら、歌がとてもメロディアスでついつい口ずさみたくなるところや、何層にも重ねたミルフィーユのような音の質感に尋常ではないこだわりが感じられ、聴いていて飽きない仕上がりになっている。本当に何度も聴きました。

 

リリースライブのレポートはこちらを。 

seaweedme.hatenablog.com

 

4.宇多田ヒカル/Fantome

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 宇多田ヒカルはもちろんデビューの頃から知っているけれど、その頃は私はかなり幼かったのもあり、日本のポピュラー音楽にとって何を成し遂げた人なのか?ということについてあまり意識をしたことがなかった。幼かった自分にとっては彼女の存在があまりに当たり前だったからだ。

 

8年間の不在を経てリリースされた今作は、彼女自身の母との関係と喪失を描いた作品になっているのは周知の通りだけれども、母の喪失という具体的な事象だけにとどまらない、大切な人を失ったことのあるすべての人に響く丁寧な言葉の連なりが印象的だった。そういう普遍性を持った作品でもありつつ、全体を通して彼女のルーツであるR&Bを土台に歌がくっきりと浮かび上がるクリアでタフな音づくりが透徹されていて、改めて彼女のサウンドプロダクションにおける非凡さというものをも意識することのできた作品でもあった。

 

5.Warpaint/Heads Up

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私の大好きなWARPAINT、待望の3作目ということで上位に持ってきました。

 

曲調もバラエティ豊かに、ダンサブルでオープンな印象にガラッと変わった3作目。コラージュのような斬新な曲展開が新人とは思えなかったデビュー作、波のように微妙に変化し続けるミニマルな展開を突き詰めた前作を経て、構成の複雑さ斬新さを突き詰める実験的な手法にはもはや余裕を感じる。

そういう意味では、今作は、メンバー各自のソロや別プロジェクトを経ての結果なのか、音の立体感という点のほうに、より躍進が見られる。迫ってくるほど前面に出てくるファットなリズム隊に、空白をしっかり残しながら多種多様な音を、上下左右前後に配置して空間を構築する、透し彫りのような立体感に、ワクワクしっぱなしだった。

 

と、言いつつあまり年間ベストに上がってこないのは、そうした細やかな音づくりの手法に軸足が置かれている反面、暗澹とする世界情勢に対するリアクションとしての作品が目立った今年の流れの中では、メッセージ性に欠けていたからかもしれない。あまり深く考えずに、その時の気分をそのままアウトプットしてしまう身軽さは彼女たちの魅力ではあるのだけれど。

 

でも、2月の来日公演は今から楽しみすぎます!

 

6.Beyonce/LEMONADE

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言わずもがなですが、、、

自分自身に関する表象が核にありながらも、人種もジャンルも多様なアーティストとのコラボレーション、その結果としての振れ幅の大きな楽曲、それらを大衆性をもったものとして聴き得る作品に仕立てた、申し分のない「ポピュラーミュージック」としての強度には、ビヨンセとちゃんと向き合ったことのない私ですら「アーティスト」ビヨンセを意識せざるを得ませんでした。

 

7.Frank Ocean/Blonde

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そもそも彼に興味を抱いたのはリリース時に発表された、彼の手記の生々しくパーソナルな言葉に、やられたのがきっかけでもありました。

そうした告白めいた内容だけでなく、サウンドの面でも、様々な白人インディーロックやエレクトロニカ周辺のアーティストも客演していることもあってか、これまでヒップホップを聴いてこなかった私にとっても実は耳馴染みが良く、この作品が私にとっては今年、ヒップホップに目を向けるようになったきっかけになってくれました。

 

8.Radiohead/A Moon Shaped Pool

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レディオヘッドは実はそこまで熱心なファンではなかったりするのですが、オーケストレーションやアコースティックな響きの美しさが印象的で、今作はよく聴きました。

今にして思うと、"A Moon Shaped Pool"という言葉は、心にぽっかりあいた穴のような空虚、という意味合いが悲しくもしっくりきます。

 

9.OGRE YOU ASSHOLE/ハンドルを離す前に

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余計なものをそぎ落とし、終始淡々としたトーンのまま終わってしまう彼らの作品の不思議な心地よさは、濃厚すぎるグルーヴとコーラスワークにあるのではないかと思わされた。

音数は少なくスカスカなのに、コードや同じ効果音がひたすらずっと鳴っている感じがミツメの『A Long Day』と近しいところもある気がする。D.A.N.もそうだが、今日、日本に新しいロックのかたちというものを求めるとするならば、こうした、ビートに軸足を置いた極端なミニマリズムに、かろうじてその芽を見出すことができるのかもしれない。

 

…などと冷静ぶって書いていますが、このスカスカなのにメロウで骨太という不思議なバランスに、私、すっかり中毒になってしまいました。『フォグランプ』の頃にハマりかけてしかし結局ハマらずに大人になってしまった自分、あの頃はまだ若かったな…

 

10.Solange/A Seat at the Table 

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ビヨンセより、個人的には、柔らかな声と音づくりを徹底するソランジュの方が好みではありました。

インディーロック〜フォークから、チルウェイブなど(EDMではない)エレクトロミュージックがこれまでの守備範囲だった私自身と、R&Bの交点として、気に入った作品。

 

11. A Tribe Called Quest/We got it from Here... Thank You 4 Your service

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ceroの『Obscure Ride』が出た時に盛んに引き合いに出されていたこともあって、メンバーが1人亡くなってしまっている中での、今の、そして最後の彼らを聴けるということで期待していました。ヒップホップに留まらず、ネオ・ソウル風に聴こえる部分もあって、カッコよかった!

 

12.agraph/the shader

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レイ・ハラカミのような人懐っこい音でストーリーを情感たっぷりに描くイメージのあったagraphが、ミュージックコンクレートを思わせる手法で、まるで自然現象のように、ただそこで音楽が鳴っていることだけを追求したことが圧巻。メロディにもリズムにも寄り付かない作風は、日本のエレクトロニカアーティストでは稀有。

彼も今作で『22, a million』のような数学的な意匠を部分的に用いていて、ボン・イヴェールのほうでも書いたように、それは世界を解するための普遍的なキーなのかもしれないと改めて思う。

 

agraphこと、牛尾憲輔に関しては、映画「聲の形」のサントラも非常に良かった。ノイズまじりの汚れた音を汚いまま録り切ることによって、「にじみ」の質感を聴覚において再現する、という共感覚的な離れ業には、この『the shader』の制作過程が存分に生かされていると言って間違いはないはず。

 

今作については前の記事にも書いていますのでご覧ください。

seaweedme.hatenablog.com

 

13.KOHH/DIRTⅡ

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刺青だらけの身体というだけでセンセーショナルな彼だが、あの、そのまま口語のような言葉遣いの不思議なリリックが違和感なくフローに乗っかっていくというだけで、彼がそもそも恐ろしく上手いラッパーであるということを、思い知らされる。きちんとライムとして成立しているのに、むき出しのままの言葉で殴りかかってくるというあの感覚は、KOHHにしか成し得ないのかもれない。

 

14.Seiho/Collapse

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ロマンティシズムという言葉で形容されがちなSeihoだけども、彼の作品はどちらかというと、シュルレアリスムだと思う。ジャケットの写真もよく見ると、本物の生花と比べてなにかが違う。本物の日本ではなく、あくまで外国人が想起するような「日本っぽい」というイメージでしかない(そもそも右に置いてある置物はなんなんだ)。つまり、彼が、あの磨き上げられた濁りの一切ない音で描き出す世界には実体はなく、多分に記号的なのだ。

そんなデフォルメと記号性に満ちた世界観は、記憶や思い出までも、あらゆるものがヴァーチャル世界で記号やシグナルに置き換わったに未来を暗示するかのよう。

 

そういう意味では、agraphの『the shader』が同じく一気に抽象性の高い作品に振り切った点では共通しているにもかかわらず、汚い音で現実の自然現象や世界観をそのまま写し取った作品であることと、この作品が全く対の関係をなしているのが面白い。

「世界の捉え方」という観点を軸に、両者が逆のアウトプットに行き着いたことが、今年らしい必然性なのかもしれない。

 

15.Savages/Adore Life

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前作に比べて、野蛮さだけでなく、どことなく知性が滲み出ているところが最高にクール。こういう女性アーティストが、日本にいてほしい。

 

16.Francis and the Lights/Farewell, Starlite!

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Bon Iverの『22, a million』で使われているヴォーカルハーモナイザー(プリスマイザー)"Messina"を開発したのがこのフランシス・フェアウェル・スターライトということらしく(『22, a million』のブックレットにエクスマキナにかけてか"Ex Messina"という手書き文字がある)、1曲目は出だしからすでにヴォーカルのエフェクトやシンセの一音一音が多層的にきらめき揺らぐ。SFのような遠い未来でR&Bを聴いたらこんな感じだろうか。

 

17.The Lemon Twigs/Do Hollywood

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なかなか強引でおかしなことをやっているのに、エネルギーで押し切ってしまう若さゆえの無鉄砲さ。けれどそういう破壊的な挑戦によって、ポップミュージックのあらゆるジャンルのフォーマットは開拓されてきたのかもしれない。そういう無限の可能性を感じます。

 

18.Whitney/Light Upon the Lake

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カントリー〜フォークロックをベースにしたアメリカーナポップスではあるけれど、ヴォーカルのハイトーンな歌声や、全体的な音づくりにおいても柔らかなコットンのような質感が保たれていて、カントリーの域に留まらない心地よいグッドミュージック。そしてさりげないながらも、静と動の側面が、1曲の中で、また、アルバム通してきっちり繰り広げられていて、曲・アルバムの構成力の高さがうかがえる作品。

 

19.KING/We Are King

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コクトーツインズなどにも影響を受けた幻想的なR&B。ありそうでなかった。この作品もジャンルを超えたクロスオーバーという観点で入れてみました。

私は聴くと心地よくていつも寝てしまいます。

 

20.Terrace Martin/VELVET PORTRAITS

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ケンドリック・ラマーの『To Pimp A Butterfly』にも大きく貢献したプロデューサー、サックスプレイヤー(など)、テラス・マーティンのソロ作品。ヒップホップとLAジャズを行き来する重要人物というだけあって、客演も豪華であるだけでなく、あらゆるブラックミュージックを呑み込んで、それをポップスとして昇華させる手腕が見事で、ブラックミュージックをあまり通ってきていない私でも、本当に、単純に良質なポップスとして繰り返し楽しんで聴いていました。

と、言いつつやはり、彼のケンドリック・ラマーへの貢献や、ヒップホップやソウル、ファンクなどを取り入れた新しいジャズの盛り上がりについてはやはり去年のトピックという感があってか、メディアの今年のベストにはあまり挙がってきていない。2015年の集大成として、意味のある作品ではあるはず。(去年出ていれば・・・)

 

21.Yumi Zouma/Yoncalla

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前作までのEP2作は、フレンチポップのような淡くキュートなメロディに引っ張られていたものの(実際はニュージーランドのバンドで歌詞も英語なのにエセフランス語っぽく聴こえる瞬間があるのは意図的なのか・・・?)、オーソドックスな四つ打ちと比較的のっぺりとした音づくりのせいか、良く言えば懐かしいが、悪く言えばいなたいドリームポップの域を抜け出ていなかったYumi Zouma。

今作は、丸っこく粒立ちした音がミニマルに使われているだけでなく、リズムのバックビート感がかなり意識されていて、劇的に立体感が進化したのに驚いた。またメロディの上品さはそのままに透明感を増したウィスパーヴォイスもより洗練されていて、耳に残る。

少し前にドリームポップにハマっていた私としては、逆にある時期から、ドリームポップの陥る没個性に一気に辟易してしまっていたのだが、その中では、このバンドはきちんと独自のスタイルを確立しつつある珍しい例だと思う。

 

22.Jack Garratt/Phase

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フジロックに来ていたの知りませんでした。

後半ダレるのが残念ですが、「Breath Life」がとにかく好き。

 

23.ミツメ/A Long Day

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互いの間を縫うように、コードを鳴らし続ける、輪郭のはっきりした2本のギターの音の絡み合い。その危ういバランスの真ん中に、凜と筋を通すような川辺素のヴォーカルの涼やかさに改めて脱帽。

 

24.yahyel/Flesh and Blood

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Spotifyをシャッフルで聴いていたら洋楽に混じって「Once」が流れて、一瞬、yahyelだと気付かなかった私。英語だとかいう以前に、シンセの音の厚みに、それこそFrancis and the Lightsなどと一緒にシャッフルで聴いても断絶を感じさせない質感を再現できているところがまず評価されるべきなのだろう。

 

25.toddle/Vacantly

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田渕ひさ子、ギターはキレキレなのに、歌がへたうまというアンバランスさにむしろ妙な味みたいなところはあったけれども、この5年間にソロや他プロジェクトを経て、今作はソングライティングとヴォーカルがぐっとたくましくなっていた。ブッチャーズ吉村の魂はここに引き継がれていたのだ。

 

下記記事で詳しく書いています。 

seaweedme.hatenablog.com

  

26.Galileo Galilei/Sea and The Darkness

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ガリレオ・ガリレイは正直自分の好みでは元々なかったのですが、ひょんなことでこのラストアルバムを聴いたところ、初期の頃に抱いていたイメージと違う印象を抱いて驚いたので入れてみました。
もうあとちょっとで、いやもうすでに少し汚れてしまったかもしれない、少年性の「こわれやすさ」をギリギリのところで切り取ったような…そんな奇跡的な瞬間を閉じ込めた作品。だからこそ、その中でも1番なんでもないシンプルなポップソング「ユニーク」が、何よりも愛おしい。

 

27.tortoise/The Catastrophist

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メロディのキャッチーさ、ジャジーなアプローチなど取り入れつつ、短尺の曲でまとめた作品。トータスの難解さが苦手な人にも今作は比較的わかりやすいんじゃないでしょうか…

フジロックでライブは、それはそれでプログレッシヴで圧巻でしたが。あの時間、ベックじゃなくてトータスを観てた人は変態です(私も)。

 

28.Stephen Steinbrink/Anagrams

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アコースティックな楽曲も素敵ですが、インディーオルタナロック女子として青春を生きてしまった私の胸を、懐かしさが掴んで離さないのは、甘く歪んだギターがノスタルジックなM3「Psychic Daydream」。

 

29.METAFIVE/META

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しっかり踊らせるテクノなのに、ちゃんと歌モノなのがさすが。LEO今井の暑苦しい歌がこんなに爽やかに聴こえるなんて…彼のヴォーカリストとして力量にも気付かされました。そして小山田圭吾のギターの上手いのなんの。

 

30.きのこ帝国/愛のゆくえ

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「東京」あたりのポップ転向で興味を失っていた、典型的な元ファンの私。そんな私でも今回の彼らのさらなる変貌は「進化」であると讃えたい。

 

今作の白眉は「MOON WALK」〜「夏の影」の流れと言って過言ではないはず。レゲエ〜ダブに振り切った音づくりが、初期のシューゲイザー風の楽曲と、このところの優しいグッドポップ路線の交点としてここまで機能するとは。言うなれば、初期作「渦になる」のエモーションをその名の通り、攪拌して、その上澄みをすくい上げたような淡さと純度。それが胸を打つ。

「夏の影」はもろにレゲエビートだけれど、「MOON WALK」の間奏での歌声のイコライジングを大胆に振り切ってみたりする遊びだけでなく、ダビーで雲に包まれるような音作りなどはまるでフィッシュマンズ

最初期にどこかのライターさんが佐藤千亜妃の声は佐藤伸治を彷彿とさせる、と指摘してたのはある意味すごい先見の明だったんだな…と。確かに。彼女の声はダブにもよくマッチするのだなあ。

 ただ、ギターソロ、特にアウトロに持ってくるそれがちょっとそろそろワンパターンなので、次作はその変化も期待したいところ。

 

 

以上!

正味2〜3日で書いたのでコメントが雑ですがとりあえず年内に完成できてよかった!